右ねじです。
2020年6月にラインナップが一新された、デルのXPSシリーズ。
ハイエンドモバイルノートとしてデザイン・性能ともに独自のブランドを構築するXPSの中で、
今回は、15.6インチ4K液晶とグラフィックボードで性能もモビリティも◎、なNew XPS 15(9500)を1ヵ月お借りしました。
どんな用途の人に向いてるPCかというと、移動の多い写真家・動画クリエイター。
そして…何となくどんなPCをライバル視してるのか、わかってしまうような…。
その直感が正しいか確かめるため、我々はアマゾンの奥地へと旅立ったのだった。
ワクワクするマットブラックの箱は、以前お借りしたXPS 15 2-in-1よりも深いタイプになっていました。
Dell New XPS 15(9500) プラチナプラス
モニター機
スペック | |
---|---|
CPU | 第10世代インテル🄬Core™ i7-10875H (16MBキャッシュ,最大5.1GHzまで可能,8コア) |
OS | Windows 10 Home 64 ビット 日本語 |
メモリ | 32GB DDR4-2933MHz, 2x16GB |
ストレージ | 2TB M.2 PCIe NVMe SSD |
ビデオカード | NVIDIA🄬 GeForce🄬 GTX 1650Ti 4GB GDDR6 with Max-Q |
ディスプレイ | 15.6インチ UHD+ (3840 x 2400) フレームレス タッチ 反射防止 500-Nitディスプレイ |
本体サイズ | 高さ: 18 mm 幅: 344.72 mm 奥行き: 230.14 mm |
重量 | 最小重量: 約2.05 kg |
デルの最高級シリーズらしく、Core i7に32GBメモリ、ストレージもNVMeのSSDが2TB。
そして NVIDIA🄬 GeForce🄬 GTX 1650Ti 4GB GDDR6 with Max-Qグラフィックボード。
重さは2kgありますが15.6インチ液晶の割にはベゼルが狭いおかげで、リュックに入れてしまえます。
XPS 17はさすがに無理でも、個人的にはXPS 15なら持ち運べるラインでした。
ポート類
左側のThunderbolt3ポート×2…並んだ2ポート、どこかで…
SDカードスロットはフルサイズ。写真・動画クリエイターはMicroSDよりもフルサイズを使うことが多いでしょうから、そういった需要を狙い撃ちしての配置だということは想像できます。
デル公式サイトに360°ぐりぐり動かせる機能あるの初めて知った。
現在(2020年12月7日)、BLACKFRIDAYセールで20%オフで購入できます。
付属品
USBの端子がType-Cしかないので、USB AやHDMIへの変換端子が付属品としてついてきます。
Dell Creator Editionの大容量バッテリーモデルのため、電源も大容量。
USB Type-CでXPSに接続する、130Wでした。
一応、市販のUSB Type-C PD対応充電器でも充電可能です。
60Wのこれと、DELL製モニターP2419HCの65Wでも充電できました。
「低速のUSB充電ケーブルが接続されています」は出ますが。
45Wの充電器では認識もしなかったので、本当は90Wから100Qくらい必要で、最悪60WくらいでもOKみたいな感じなんだと思います。
オプションで購入するならおすすめなのは、「Dell マルチ-デバイス ワイヤレス マウス MS5320W」
なぜなら僕が今使っていて最高だからです。
外観
見た目のスタイリッシュさは、前機種よりも磨きがかかっています。
それもそのはず、なんと厚みが8%も削減されています。
ベゼルが超狭いInfinity Edgeは健在。そこに高性能Webカメラが隠れているのもこれまで通り。
今回のXPSには、ヒンジ側全面がヒートシンクになっていました。Max-Qはグラフィック性能だけでなく、放熱・静音性能もクリアしないと得られない称号ですので、それがここに表れています。
僕はNew XPS 13では左右キーとpgup,pgdownキーが上下に存在すると押しづらいから嫌だ、と思っていたので、大きめのキーになったのは評価したいです。
音響もWaves MaxxAudio Proで調整可能なうえ、Waves Nxの3Dオーディオが利用可能。
キーボード左右のスピーカーの品質も良いです。
#デルでDAZNというハッシュタグをつけている通り、DAZNも使ってみました。ベゼルがほとんどないから没入感がすごい、というのはXPS13や以前のXPS15でも良かった部分です。 ただ今回はさらにスピーカーの迫力も凄かった。DAZNでモータースポーツを見るべし。マシンの唸る音が部屋中に響きます。
そのうえでWAVES MaxxAudio Proを使えば、イコライザで細かく聞き心地を調整可能。
プリセットも充実していますが、自分の好みの設定を保存することもできます。
WAVES MaxxAudioProの恩恵はマイクにも波及します。音声とノイズを聞き分けて通話品質を上げる機能がついています。どんな部屋にいるかによって、そのプロファイルも複数選べます。
このThunderbolt/Type-Cポートの配置、もしかしてAmazonでよく見る「Thunderboltを2ポート使うハブが刺さるのでは?」と思ったのですが…
残念ながら、微妙に合いませんでした。
タッチパッドは、めっちゃめちゃでかいです。ホームポジションに指を置くと、親指の付け根が触れてしまうので…
マウスを別途購入して使っていたら、Windowsの機能でタッチパッドをオフにしたほうが良いかも。
XPSを選ぶ理由
それはディスプレイの広さ
XPS唯一無二の特徴として、ディスプレイが16:9ではなく、3840×2400の16:10。一般的なPCよりも縦に長いので、EXCELを使うときもWebサイトを見ているときも、より多くの情報を表示することができます。
試しに、16:9のゲームをこのPCで起動してみると、ゲーム画面の下にスペースがあるのがわかると思います。これにより、ゲーム中にLINEが来ても気づけますね。
ちなみに3840×2400って4K(3840×2160)よりも広いので、1920×1080のゲームを表示するとこうなります。
ひろっ
NVIDIA🄬 GeForce🄬 GTX 1650Ti 4GB GDDR6 with Max-Qグラフィックボードの性能は?
NVIDIA GeForce GTX 1650Tiはグラフィックボードの中ではエントリークラス。
iPhoneでいうとSEです。
ゲームを思いっきりやれる程ではないですが、写真のRAW現像や動画編集であればストレスなく行える性能、というのが適切な評価じゃないかなと思います。
Adobe Lightroom Classic CCで6024×4024の画像を100枚RAW現像するのにかかった時間は、たったの2分27秒でした。
グラフィック性能を調べる3DMARKで出たスコア的には、Apex Legendsでも55fpsは出るようでした。
CPU性能は僕の自作デスクトップのRyzen 5 1600よりも良い結果が出ました。
一応ゲームもやってみます。現在アーリーアクセス中のクラフトピアを最高設定で動かしてみます。
操作感はほぼ問題なく(オートセーブ時にカクつきますが、これはゲーム側の問題の可能性あり)遊べます。ただ、ファンの音はかなりうるさくなりました。
ファン音に関しては、RAW現像で負荷をかけた時にも一時的にうるさくなったりします。
以上のことからクリエイティブ用途の処理には使えるけど、
例えばApexのように、重くて反応速度が求められるゲームには向かないのと、ゲーム+配信のようにリアルタイムに負荷がかかり続けるような使い方は苦手のようです。
そういうことがしたい場合は素直にALIENWAREを買いましょう。餅は餅屋。
Dell Creator EditionのメインターゲットはDJやDTMer?
2020年のNew XPSは15と17において、Core i5以上・メモリ16GB以上・SSD512GB以上のモデルを
「Dell Creator Edition」と銘打って、映像・音楽クリエイターへアプローチを強めています。
特に楽曲制作やDJプレイに使ってほしいようで、公式サイトの説明には「パワフルなマルチタスク」「大容量のストレージ」「基本的な接続に対応」で3度、そしてDell Creator Edition自体の説明でも言及されています。
これは前機種までの説明には無かった新しい変化です。
僕がお借りしたNew XPS 15(9500)にも32GBものメモリが搭載されていますが、ゲーミングノートシリーズであるALIENWAREも、15インチモデルは32GBがMAXです。
方やゲーム特化ときたら、こちらは差別化のため別のメインターゲットが設定されるのではないかと思います。だから、映像・写真編集や音楽制作はXPSのCreator Editionが担うという狙いなのではないかな。説明文に「ステージの上で」なんて書いてあるということは、たとえばDJとか?
MBPメモリ32GBいけますね。買います
— tofubeats (@tofubeats) November 13, 2019
で、ここまで来たらもう言ってしまいます。
New XPS 15(9500)が狙うのは、MacBookPro 16の首。
メモリ32GBも必要とするようなクリエイティブ特化PCといえば、オプションでメモリを32GB・64GBにすることができるMacBookPro16。
MacBookPro16のCore i7はNew XPS 15(9500)に搭載のCore i7と同じクロックですが、コア数が6です。8コア16スレッドのXPSのほうが強い。
またMacBookPro16にメモリを32GBにしたり、ストレージを2TBにするのは標準ラインナップの商品ではないので、オプションとして追加するとしたら+10万円必要です。
またGeForce 1650Tiと同等の性能を求めてグラフィックボードも強化する場合、さらに1~2万円必要となります。
僕自身はDTMをやらないのですが、今は昔ほど「音楽制作はMacじゃないとだめ」ということはないらしいですね。
もちろんMacに慣れている場合はそちらのほうが良いでしょうが、専業ではなく普段はWindows使って仕事してます、趣味でDTMやったり週末DJしてますという場合はむしろWindowsのほうが使いやすいかも。
XPSをお借りした時には高すぎると思いましたが、実際使ってみて比較対象がもっと上の商品だと気づいた今、MacBookPro16と勝負できるスペックでいえば大きなアドバンテージを作れるのがこの価格なんだな…と感心しました。
実はコスパで勝つ製品。
最適なワークスペースをお好きなように、スペックはデル任せ。
最近はThunderbolt/USB Type-Cポート接続の多ポートハブが増えてきましたので、付属品のDA20を使わなくとも、5~6千円でこんな商品を差すこともできます。
DA20は小型軽量で必要最小限のポートに変換できるので、持ち運び用でしょうね。
少なくとも出先ではDA20があって、SDカードスロットもあるので作業可能だし、市販のPD対応USB Type-C充電器で充電できます。
※「低速のUSB充電ケーブルが接続されています」という警告は出ます
自宅や職場ではこういった商品で、ワークフローに最適化した制作環境で、集中して作業したいですよね。
デルは純正アクセサリーのハブやドッキングステーションが充実していますし、デル製モニターもUSB端子・LAN端子をつけてハブモニター化を進めているので、本体側の端子は極力シンプルに割り切っていますね。
どんな機器を接続してどんな作業をしても、さばききれるだけのハードウェアスペックがXPSにはあります。その中でもDell Creator Editionならば、複数アプリケーションで負荷をかけても大丈夫。
New XPS 15(9500) is : 仕事で本気で使えるが、携帯性は諦めないノートブック
デルにとってXPSシリーズは、スポーツで言えばオリンピック代表選手。 デルの威信をかけて、ナンバーワンの性能をほかの代表と競い合う機種になります。
これまでも各分野に代表選手を送り込んでいて、
ゲームにALIENWARE、設計や研究にPrecision、大企業にLatitude、中小企業にVostro、家庭向けにInspironと、最高級ジャンルがXPS。
最高級と言ってもパソコンですから、デザインが良いだけでは当然ダメで、狭縁ベゼルや搭載CPU・メモリでそれを表現してきたXPS 13と、グラフィックの強みのXPS 15で、おそらくMacBookPro 13や16に対抗してきました。
今回そこに、RTXグラフィックボード搭載のXPS 17が登場しましたので、XPS 15は存在意義を再定義する必要があるのだと思います。
僕がここで改めて定義します。
高負荷に耐えられるハードウェアスペックと、クリエイティビティに応えるグラフィック性能が必要な人のための、持ち運べる仕事場。それがNew XPS 15(9500)。
XPS13は最高級モバイルノート、XPS15は最高級クリエイティブノート、XPS17は最高級最強ノートの三兄弟。
携帯性を残しつつクリエイティブに力を注いだXPS 15は、その中でも優秀で器用で要領の良い次男といったところです。
コスパ良い次男、婿にどうですか?
以上、右ねじのリポートでした。
- コスパ良い次男の前世の体験レポートはこちら
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— 右ねじの法則 (@Rightscrew) February 25, 2021