口頭語頭
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ある男が、孤島にやってきた。
名を、後藤と言った。
骨董品を扱う商店を営んでいたが、
仕入れた品が尽く売れず
「休んでいたほうが儲かるんじゃないか」と妻に小言を言われ
まるごとほっぽって来てしまったのだった。
ある男が、孤島にやってきた。
名を、後藤と言った。
骨董品を扱う商店を営んでいたが、
仕入れた品が尽く売れず
「休んでいたほうが儲かるんじゃないか」と妻に小言を言われ
まるごとほっぽって来てしまったのだった。
この世界が消えるまであと6時間。
私はいつものように、木を切り、石炭を掘り、動物を狩っていた。
誰もいなくなったこの世界で、大それたことはできない自分にできることをして、
終わりの時を待っていた。
ふとプレイヤーリストを見てみると、自分以外にもうひとりいることに気づいた。
「こんにちは、今日で終わりですね」
「こんにちは~。そうですねw」
研究所の電気が消えた。
一人の人間になった元研究者が、インドカレー屋に吸い込まれていった。
「飽食の時代」なんて口が裂けても言えない。増えすぎた人類は居住空間と食糧不足に喘いでいた。研究者たちが何度も繰り返し警告していたことに、注意を払っていた者はどれだけいただろうか。誰もが「フードロスは問題だ、危機感を持とう!」と"コメント"することで責任を果たした気になって、誰かが解決してくれると思っていた。