(C)rices
· ☕ 6 分で読めます
研究所の電気が消えた。
一人の人間になった元研究者が、インドカレー屋に吸い込まれていった。
「飽食の時代」なんて口が裂けても言えない。増えすぎた人類は居住空間と食糧不足に喘いでいた。研究者たちが何度も繰り返し警告していたことに、注意を払っていた者はどれだけいただろうか。誰もが「フードロスは問題だ、危機感を持とう!」と"コメント"することで責任を果たした気になって、誰かが解決してくれると思っていた。
研究所の電気が消えた。
一人の人間になった元研究者が、インドカレー屋に吸い込まれていった。
「飽食の時代」なんて口が裂けても言えない。増えすぎた人類は居住空間と食糧不足に喘いでいた。研究者たちが何度も繰り返し警告していたことに、注意を払っていた者はどれだけいただろうか。誰もが「フードロスは問題だ、危機感を持とう!」と"コメント"することで責任を果たした気になって、誰かが解決してくれると思っていた。